相続不動産を売却することによる節税対策としては、主に「相続税」「固定資産税」「譲渡所得税」3つの税金の特徴を押さえておく必要があります。
それぞれの特徴を知り、相続した大切な財産を有効に活用していきましょう。
相続不動産を売却することによる節税対策としては、主に「相続税」「固定資産税」「譲渡所得税」3つの税金の特徴を押さえておく必要があります。
それぞれの特徴を知り、相続した大切な財産を有効に活用していきましょう。
相続財産が高額になると相続税が発生します。
しかし、相続財産の中に現金が少ない場合は「相続税が払えない」というリスクが出てくることもあります。
相続税を納めるための資金に不安がある場合は、相続不動産を売却し、その資金を相続税の納付に充てることを検討した方が良いかもしれません。
相続税の支払い対象は、遺産の総額から「基礎控除額」を差し引いた金額となります。
「基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数」
相続人が3人の場合「3,000万円+600万円×3=4,800万円」が基礎控除額となります。
つまり、相続財産の総額が4,800万円を超えない場合は相続税は課せられません。
例えば、5,000万円の財産を相続した場合は「5,000万円-4,800万円=200万円」に対して税金がかかる計算となります。
相続税の納付期限は、被相続人の死亡を「知った日」の翌日から10ヶ月以内と定められています。
また、原則として現金で一括して納付する必要があります。
相続不動産を売却した資金を相続税の納付に充てようとしても、なかなか買い手がつかず、納付期限を過ぎてしまう場合もあります。
そのため、なるべく早く売却準備に取りかかることが大切です。
通常、不動産を売却し、利益(譲渡金)が出た場合、譲渡所得税を納めなければいけません。
しかし、相続人が相続財産を一定期間内に譲渡する場合、納めた相続税の一定額を取得費に加算する(譲渡所得から控除する)ことができる「相続税の取得費加算の特例」という規定が認められています。
この特例を利用すれば、譲渡所得税を算出する際、取得費に納めた相続税額を加算することで譲渡益を減額し、譲渡所得税額を抑えることができます。
ただし、この制度を利用できる相続人は「相続税が課税された人」に限られます。また、相続税の申告期限から3年以内の譲渡という期限も定められています。保有する意思がない相続財産は、早めに処分することが節税につながります。
「誰も住んでいない実家を相続した」「親の不動産を相続したけれど管理ができない」といったケースは少なくありません。
現時点で誰も利用しておらず、今後の予定もない土地や建物を相続した場合、そのままにしておくと管理費や固定資産税だけが掛かってしまいます。
相続人が家を新築にして住む・アパート経営や駐車場経営などで収入を得るなど、有効活用するという選択肢ももちろんありますが、このような活用が考えにくい場合は思い切って売却するのが賢明でしょう。
活用が難しい不動産は、売却することで固定資産税の負担から解放されます。
相続トラブルと聞くと「お金持ちの話で自分には関係ない」と考える方も多いのではないでしょうか。
実は、相続トラブルの多くは、遺産総額が数千万円の中流家庭で起こっています。
「遺産の額が少ないから」「うちは兄弟姉妹の仲がいいから」と安心していられないのが実情です。
相続不動産に関する親族トラブル、いわゆる「争続」を避けるための3つのポイントをご紹介します。
相続財産が不動産のみだった場合、問題になるのが「分配が難しい」ということです。
不動産は簡単に分割することができないため、相続人が複数いる場合は分配方法を巡ってトラブルになることは少なくありません。
不動産のような分配が難しい相続財産の場合は、売却して現金化することで分配しやすくなります。
思い入れのある家だったり、代々受け継がれてきた土地だったりと、様々な事情でどうしても手放せない状況であれば話は別ですが、売却して現金化してしまえば「分け方」によるトラブルを防ぐことができます。
例えば「長く使っていない空家を相続した」「両親が亡くなったが子どもたちは皆遠方で暮らしている」といった誰も住んでいない・誰にも使われていない不動産や遠方の不動産は管理が難しいです。
さらに管理が不十分で放置していると、どんどん資産価値は下がり、所有しているだけで固定資産税が発生します。
また、誰が管理をするのかという問題からトラブルに発展することもあります。
現状、誰にも使われておらず、今後も活用の予定のない相続不動産は、なるべく早い段階での売却をおすすめします。
相続した不動産に相続人の誰かが居住している場合はトラブルに発展するリスクがあります。
住んでいる人はもちろん「そのまま住み続けたい」と考えますし、その他の相続人は「現金化して自分の分け前が欲しい」と考えるでしょう。
この場合、住んでいる人は他の相続人の権利を侵害していることを忘れてはいけません。
売却をして現金を分配するという解決策もありますが、住み続ける場合は相続人全員が納得できる方法を考える必要があります。